薩摩のプライド「威風堂々山形屋」

 鹿児島の地に江戸時代から続く名門デパートが有る。薩摩藩の時代には呉服商として、その後明治期には九州初の百貨店として、そして大正期には堂々たるルネサンス様式のデパートメントストアとして登場したのが山形屋である。

 今もその堂々たる威容は変わらないが、実はこの建物は平成の時代になって建て替えられたものだ。大正期そのままの建物なら間違いなく登録有形文化財だ。建て直してもなおこの威容を保つのはまさに薩摩プライドであろう。ただ、大型ショッピングモールが郊外にできても、今も変わらず市の中心部に威風堂々たる姿を留めている百貨店ではあるが、庶民の支持は失っていない。