温め酒 摘みは牡蛎の甘(うま)煮かな



  夕方からグッと冷え込んできて 重ね着をしている


 小寒のひかり浸して刷毛目雲  火村卓造

  小寒の夕映富士をのぼりつむ  浅羽緑子

 晴れなれど朝夕冷えてやり切れぬ アロマ

 小寒の夜半きらきらと洗車場  塚本邦雄 甘露

 ぴしぴしと星座整ふ寒の入  大野徳樹

 寒に入る鯛にも真鯛・れんこ鯛  鈴木真砂女 夕螢

 寒に入る夜や星空きらびやか  長谷川素逝 暦日

 武蔵野の欅総立ち寒の入  椎橋清翠

 戸の隙に真紅の日あり寒の入  相馬遷子 山河

 終着の駅閑散と寒の入  谷村 喜美子

 鮭鱒の孵化のさかりや寒の入  河東