竹取幻想71




風を受けてゆるやかに帆が張られ、黄山号は青い鏡のような海の上を滑るように進んでいきました。すっかり明るくなった空の下に遠く島々が瑠璃色の輝きで浮かんでいます。
無口島を過ぎ朝日に照らされた大海原が広がります。椅子をご用意いただいたのでずっとこの景色を眺めていたいのですが、お茶の用意ができましたと周さんに告げられ船室に戻りました。つわぶきがいません。つわぶきさんは子どもと出かけられましたと教えられましたが、彼女はもう子どもたちと一緒になって遊んでいるのでしょう。それもまた彼女の大切な役割と納得します。

お茶のあと寝台に横になってみました。この完全