余寒なほ風の音強くなる昼間



  まだ寒い如月の日

  今は満月らしい

  昼餉は鮭の海鮮丼

  ビターチョコが美味しい



 古伊万里の藍を深むる余寒かな  山岡純子

 余寒なほ一尾の魚赤く煮て  柴田久子

 ニコライの鐘鳴る坂の余寒かな  岩崎正子

 余寒なり画廊を探す銀座裏  片野美代子

 錠剤の掌のくぼすべる余寒かな  門伝史会

 余寒なほ黒塀つづく武家屋敷  土井ゆう子

 余寒なほ夜空の星を輝かせ  稲畑汀子

 余寒なほ風の音強くなる昼間  アロマ

 余寒なおボルシチ煮込むあと五分  鶴濱節子

 カウンター君との距離にある余寒