神としての観音(奈良博特別展「聖林寺十一面観音」④)

前回からのつづき
聖林寺展最終回です。

●衣紋がすごい地蔵神
さて、聖林寺十一面観音展では、主題の仏像以外にも、数点の作品が展示されています。
その中で目を引いたのは、法隆寺の国宝・地蔵菩薩立像(平安時代)。
こちらも廃仏毀釈のときに大御輪寺から法隆寺に身を寄せた仏像です。

大木の幹ようにどっしりと、内刳りもなく中身がぎっしり詰まった一木造り。
霊木に宿る神として造られた僧形神像という説もあるそうなんです。
この説についてそれ以上に掘り下げた解説はありませんでした。
内刳りのない一木造は他にいくつもありますが、この地蔵菩薩が特に取り沙汰されるのは、や