連載:薩摩よみうり俳句

薩摩よみうり俳句3月8日(火)

薩摩よみうり俳句3月8日(火)

 俳句  渕脇 守  選

冴え返るオニオンスープすすりけり 鹿児島 福寿美智子

(評)季語は「冴え返る」で春。「冴え返る」とは「春になってから寒さがぶり返すこと。オニオンスープは玉ねぎのスープ、高血圧などに効くと辞書にある。寒いので薬効あるスープをすすって、体を温めている情景。スープ・すするのス音の連なりが快い。上五は動詞を避けて「余寒なほ」で可。

春疾風噴煙湾に腰を折る       霧島 池田 章
春日浴ぶ檜皮(ひわだ)あらたな一の宮 同 内村としお
月光に透きて白魚汲まれけり   薩摩川内 大平 正通
梅が香(