岩波ホールと失恋と

岩波ホールが今年の7月29日で閉館となってしまった。
ここは1968年の開館だけど、1974年から始まった「エキプ・ド・シネマ」(一般の映画館では上映されない、世界の名作映画を単館で上映する取組み)で一躍その名が知れ渡った。

私は1975年4月に大学進学のために上京したが、東京生活が始まるとすぐ岩波ホールに出かけた。
そのとき観たのはインドの巨匠サタジット・レイ監督の「大地のうた」3部作。
3作合計で6時間以上の上映時間で正直、疲労困憊した。
モノクロ画面の特長が活かされていて、感銘を受ける場面も多々あったが、まだ二十歳前の人生経験の乏しい若造には消化