「夢」

「夢は」

昨夜(ゆうべ)見た夢は
途切れ途切れの記憶の積み重ね

目を開いて見渡せば
まばゆく色付く残骸達が
私を誘惑してくる

しかも
そいやそいやと
かけ声も慌ただしく
背後から迫ってくる

祭りはもう終わったはずなのに
誰かがけしかけているかのように迫ってくる

私には逃げる標(しるべ)もなく
押し寄せる怒涛(どとう)に
浮かぶ木っ端にしがみつき
もがき溢れるしかないのか

波間に浮かぶ花筏の花びら達は
沈む私の体にまとわりつき
呼吸の邪魔をする

もう生きることさえ許さないのかと
夢の中で考える

それが夢の答えなのかな

  (22-3-27