「幻影の花」
私はいつのまにか
歳をとってしまった
気付けばもうすでに齢(よわい)喜寿を迎える年頃ではないか
何をやってきたのか
思い出せない
そうなるまで
どんな過ごしかたをしてきたというのだ
それすらも思い出せない
貴方との幻影を追いかけて
過ごしてきた代わりに
齢(よわい)を置き忘れてきてしまった
このまま私は何処へ流れ着けば良いのかすらも解らない
どうせ全ては朽ち果てて
無に帰するだけなのに
貴方を求める心だけは
切々と生きている
という矛盾の花
そして
それは幻影の花
貴方と会って
貴方の声を聞きたいと思う
貴方を愛する私の心
それ