酩酊の果てに

 笛吹太郎の「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」を読了した。著者はミステリー作家であり、2020年に「ミステリーズ!」誌に「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」が掲載されて好評を博したため、同作をシリーズ化した本書で単行本デビューしている。本書は、安楽椅子探偵型のコージーミステリーの連作短編集である。
 本書は、「古書店とカフェの町」と称される東京荻窪のカフェ「アンブル」で月に一度開催される「コージーボーイズの集い」を描いたものである。同集いの参加メンバーは、コージーミステリーを愛する出版関係者で、作家の福来晶一、評論家にして古本屋二代