因果は巡る

 小林泰三の「逡巡の二十秒と悔恨の二十年」を読了した。著者は、ホラーおよびSF出身の作家であり、ミステリーも手掛けていたが2020年11月に58歳で亡くなっている。本書は、著者の単行本未収録作品を収録した短編集である。
 「玩具」:語り手の少女が遊んでいる時、友達のみっちゃんが誤って死んでしまう。少女はみっちゃんを何とか蘇生させようとするが駄目だったので、みっちゃんを玩具修理者ようぐそうとほうとふの許に運ぼうとする。
 「逡巡の二十秒と悔恨の二十年」:20年前の川遊びで起こった、幼馴染の水死事故の悪夢に悩む男の話。その時の二十秒の躊躇いが、その後の二十年