連載:読書日記

読書日記 私説春日井建 終わりなき反逆 荒川晃著

19歳の時から親友としてなくなるまで50年以上春日井建の傍にいた作者荒川晃があらわした評伝。
評伝という堅苦しいものではなく、春の昼下がりに日なたにあって一人かたりするように、やさしく書かれている。大変、興味深く読んだ。

春日井建の人となりや短歌の活動についてはほとんど知識はなかった。中井英夫によって見いだされ、19歳で歌集「未青年」によって新星のようにあらわれ、三島由紀夫に称賛された。塚本邦男や寺山修司などの同時代の作家とも交流を続け前衛短歌の草分けとして注目された。
若き天才は一旦は短歌を離れるが、父親の死によって結社を継ぐ必要から再び短歌界に復帰