4月26日 薩摩よみうり文芸
俳句 渕脇 護 選
西郷の自決の洞(ほら)や花明かり 薩摩川内 千草 好江
(評)季語は「花明かり」で春。花は桜の花を指す。城山の岩崎谷から女坂を登る途中に、維新の英傑・西郷隆盛が最後の砦(とりで)としてこもったとされる洞窟がある。下五の「花明かり」の季語が絶妙で、自決という暗部を見事に浮かび上がらせている。
帰る鶴銀河の座標定めけり 霧島 秋野 三歩
団十郎見得切るごとし桜咲く 霧島 尾上 春風
鮟鱇の剥(は)いで出(い)でくる同じ貌(かお)
霧島 神崎 義史
春