大安寺の名脇役(奈良国立博物館「大安寺のすべて〜天平のみほとけと祈り〜」③))


前回からのつづき

●頭ひとつ抜きん出た多聞天像
さて、歴史的文化的には非常に重要で、独特の造形を残すわりに、あんまり好きではない(あくまでも個人の感想)大安寺のメイン仏像群ですが、脇を固める仏像たちは、見仏的に興味深いものがいくつかあります。

まず、お寺では気がつかなかったのですが、収蔵庫にある四天王のうちの、伝多聞天がかっこいい。
これもポーズが後々の決まりごととは外れていて判別に自信がないということで「伝」がついています。

この伝多聞天像はとっても良くできていて、というかタイプが他の3体とはぜんぜん違ってて、圧倒的なリアル感、腰のくねりや膝の