薩摩よみうり文芸 俳句 6月7日(火)
薩摩よみうり文芸 俳句 大川畑光詳 選
薫風や黒酢熟(な)れゆく鄙(ひな)の里
霧島 内村としお
(評)黒酢発祥の地は霧島市福山町。仕込みは春と秋の二回行われ、蒸し米・米麹・水を原料を壷の中で発酵させ、一年から数年かけて熟成させる。壷は野天の壷畑に並べる。背山から初夏の風が吹く頃には壷の酢も熟れ始める。五感を駆使して酢の熟成を見守る酢杜氏(すとうじ)の手作業はまだまだ続く。
病む身には程良き甘さ枇杷すする 薩摩川内 大平 正通
行く春や二年出ださぬ旅鞄 鹿児島 木村