思い出の風に出会える夏館



  宅配便が来て 外の方が涼しいと感じる

  薄曇りに風が吹いているので


 夏館午後の紅茶の砂時計  角田信子

 優雅とは気ままのことよ夏館  角田信子

 高原を風のぼり来る夏館  稲田眸子

 通るたびの日の斑や夏館  佐藤恭子

 木漏れ日は白樺戦いで夏館  アロマ

 灯ともして泊船めきし夏館  土井智津子

 玻璃越しに風を見てゐる夏館  稲畑汀子

 夏館夕闇迫るメロドラマ  アロマ

 床までの柱時計や夏館  鷹羽狩行

 古き家を住みつぐ家族夏館  稲畑汀子

 海風の綾がもてなす夏館  水原春郎

 涼し