「私」という男の生涯~~石原慎太郎



今年2月に他界された石原慎太郎氏の自伝書を読んでいる。
7年ほどかけて幼少の頃から丁寧に登場する人物も全部実名で書いた書である。
本は350ページにも及ぶ長編で、私はまだ太陽の季節で文壇に登場したあたりまでしか読んでいない。
夏のつれづれに読み進んでゆくことにする。
この自伝は俺が死んでから出版するように、と遺言をしていたという。

その中で死生感について述べているところに私は注目した。

「私はまもなく81になる。許されるなら85となり88となり挙句に死んでゆくのだ。死の瞬間にも意識だけはしっかりしていたいものだ。できればその床の中で有無を言わされ