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 朝蝉に膝締めて負ふ登山の荷  太田 蓁樹

 朝の蝉富士のくれなゐ褪せゆけり  水原秋櫻子

 朝蝉の鳴く時だんだん早くなる  アロマ

 今日生きて山の湯にあり朝の蝉  畠山譲二

 朝の蝉鳴きとぎれつつ露涼し  日野草城

 朝の蝉三十分ほど姦しく  アロマ

 朝蝉へ商の戸を繰りにけり  増子京子

 目の覚めて信濃と気付く朝の蝉  石川和生

 山里は青田に日ざし朝の蝉  右城暮石
 
 七月のポプラは風をひきよせて 鶴濱節子

 七月の満月に合ふ白ワイン  高田令子

 七月の鉄路葛原風の音  柳生千枝子

 七月の昼間の空の爽