ヒマラヤに蒼い罌粟咲く花の谷



 ざりがにを釣る花の間に糸垂らし  細田恵子

 花野ゆく白をもつとも美しく着て  森川 潔

 山深く花野はありて人はゐず  相馬遷子 雪嶺

 花野ここら梅鉢草のりんりんと  山口青邨

 雲を吸ひ花野に憩ふ山男  林翔

 萩桔梗されど花野の女郎花  細見綾子

 朝顔がまだ咲いてゐし花野かな  細見綾子

 花野より伊賀上野行巣線路  加藤耕子

 花野より夕日の在り処幽かなり  細見綾子 黄 瀬

 花野に遊び花野に眠る夢を見る  アロマ

 花野ゆくさびしきときは花摘み て 阿部慧月

 花野みなゆれ初めたる通り雨  高木晴子 花 季