幼き日空地の夕焼真っ赤っか



 葛餅や町の古地図の包装紙  柴田久子

 葛餅や今年沙汰なきクラス会 水原春郎

 葛餅の包装紙に俳句あり  アロマ

 葛餅の半透明にある憂ひ 稲畑廣太郎

 葛餅を経木にのせて売る菓子舗 湯本正友

 手作りの緩き葛餅頂いて    アロマ

 葛餅の郷愁を呼ぶことしきり 大橋敦子

 商店街の外れに葛餅を買う  アロマ

 葛餅を味はひ抹茶午後憩ふ  長崎桂子

 夕焼をのせて潮の川のぼる  竹内美智代

 梅雨明や夕焼雲の茜濃き 小山ナオ子

 大夕焼団地まるごと包みたる 熊切修

 厨窓あかあかと染め大夕焼  辻井ミナミ

 薔薇色の夕