夏惜しむスターマインの輝きに



 この列車この駅止まり夏の星 小倉喜郎

 更科の闇あますなき夏の星  永田二三子

 信濃路や連山包む夏の星 井上みち子

 夏満月より滴りし星一つ 田中藤穂

 もてなしは星と地酒と夏炉かな 松本胡桃

 白雲の切れ目にしばし夏の星 藤井美晴

 夏の星母に北斗七星教え  アロマ

 夏の星弾き合うかの流れ星  アロマ

 夏の星恋つらぬきし末娘 松井洋子

 夏の星盥の水にうつりけり  村上倫子

 高階の灯火晩夏の星掴み 安斎久英

 夏果ての引湯の径も硫黄の香 山岸治子

 青紫蘇を摘んで揃へて夏果てる 高尾豊子

 夏果の胃の腑に冬瓜汁旨