8月9日(火)薩摩よみうり俳壇
大川畑光詳 選
かなかなや初掲載は十二歳 鹿児島 松本 清展
(評)蜩は、七、八月頃暁方や夕方に鳴く蝉。カナカナと澄んだ声で鳴くので、かなかなとも言う。杉山から聞えてくる蜩の声は子供時代の郷愁を誘う。七十七歳の作者の投句歴は長く、初掲載は十七歳の時。添書によれば中村草田男選で、(かなかなの鳴く谷川で荷をおろし)であったそうだ。
鳳作忌肺の奥まで碧き風 霧島 秋野 三歩
かがり火の神宮夏の夜のオペラ 霧島 薗 孝湖
姫女苑白き中来る列車かな 鹿児島 中島 典子
峰雲や杜も鳥居も湖の底 霧島