連載:

佐伯啓思氏『死と生』を読み返して

お盆休みに入った。
以前、途中まで読んでよくわからないまま投げ出していた、佐伯啓思氏の『死と生』を読んだ。しかし、よくわからない状態は相変わらずであった。

この「わからなさ」とは何なのかというと、死と生という大きなテーマについて多々考察が加えられているが、そこに結論がないこと、結論のないままで現状を並べ立てた開かれたままの本という感じ。仏教の教えをかなりたどっておられるけれども、仏教の信仰についてかたるわけでもないし信仰者というわけでもない。だからわからないまま不満足に読了した。

西洋流の知識人の生き様といったらいいのだろうか。しかし、死と生の問題は