連載:花万朶

送り火 大文字


天気予報では、雷雨に注意とあった。

七時前、家を出る時傘を持って出た。バス停までの5分の間に、稲光がして雷鳴が轟く。
稲光は西の方角、嵯峨野辺りかなと思われたが、どんどん近づいてくる。

孫が怖いから帰る?と聞いて来た。大丈夫だよ、と手を繋いで急いで歩いた。空雷ほど怖いものはない。引き返すのは、その怖さの中へ入って行くことだから、早くバスに乗らなければならない。

バス停に着くのとバスが来るのは同時だった。バスに乗ったら、雨が降って来た。しばらくすると、激しい雷雨になる。バスの中でも雷鳴は怖い。
こんなに激しく降ると、大文字は点火できるのかと心配にな