がん細胞は「不老不死」

(東大特任教授・中川恵一「不老不死のがん細胞」・・日本経済新聞「がん社会を診る」’22年8/17 夕刊より)

秦の始皇帝の時代から、人は「不老不死」に憧れてきた。しかし、我々の体を構成する37兆個もの細胞の多くは、決められた役目を果たすと(何回かの細胞分裂の後)自然に死んでゆく。皮膚の細胞は約1ヶ月、腸の細胞は数日程度で・・

そこで、(組織を維持するには、死んだ細胞に代わる)新しい細胞を生み出す必要があるので「細胞分裂」するのだが、この時(DNAが不安定な場合に、遺伝子のコピーに失敗し)「突然変異」が起こりやすい。特に、この突然変異が「細胞の