絡みつく湿度の残暑耐え難し



 秋冷の花に残暑のまぎれ込む 布川直幸

 降り立てば江戸の残暑を忘れもし  稲畑廣太郎

 残暑解く鉄道模型めく俯瞰  稲畑廣太郎

 梵鐘の音色にこもる残暑かな 塚越弥栄子

 自然薯を力頼みの残暑かな  落合由季女

 冷やし中華に氷落として残暑かな  アロマ

 荒川の季のある暮らし残暑なり 熊谷みどり

 一雨に残暑和らぐ都心かな  稲畑廣太郎

 けふ残暑酒饅頭の届きけり  青木政江

 いつまでも居据る残暑この身萎ゆ  丹生をだまき

 麻の服着てただ耐える残暑なり  アロマ

 残暑と