48 「銀河鉄道の父」門井慶喜 158回直木賞2017年  読書感想ーその1


 宮沢賢治の様子が分かると同時に、賢治の父が主人公でもある小説だった。
賢治の父、政次郎は、1874年(明治7年)岩手県の花巻村に生まれ、父親喜助が立て直した質屋の息子としてとして、育った。小学校では、優秀で花巻一の秀才と言われたが、喜助は、質屋には学問はいらない、という考えで、進学することはかなわなかった。小学校を終え、父の仕事を習い、やがて父親の片腕となり、家業を継いだ。

花巻の町の質屋であったが、京都などにも出張し、京都の古着屋で、仕入れをして、花巻の家で売りさばくこともやっていたらしい。多くは、農民相手の商売で、金に困った貧農が、鎌を