連載:孫日記

「キンモクセイ」

「こんな風に並んでやるなんてなかったね」
娘が言った。私も同じ事を考えていた。


早番の仕事が終わり、帰宅してシャワーを浴びる。昼間暑かったから、何も考えずにまた半袖を着た。

田んぼ道を抜けた辺りで寒いと思った。端にバイクを停め、ウィンドブレーカーを着た。

駅前に出たら、唐突に「冬」を感じた。コンクリートの舗道やビルに明るく灯るイルミネーションが思い浮かんだのだ。

街路樹の桜はかなり葉を落としているし、ハナミズキは赤く紅葉し始めている。

娘宅に着いた時はかなり暗くなっていた。
「○○が栗ご飯食べたいって言うから」