レイシストの放った銃弾

 柄刀一の「或るアメリカ銃の謎」を読了した。著者は本格派のミステリー作家である。本書は、カメラマンで名探偵の南美希風を主人公とした「南美希風」シリーズ内シリーズである「国名」シリーズの作品であり、表題作および「或るシャム双子の謎」の二篇の中篇が収録されている。本書では美来日したアメリカ人法医学者エリザベス・キッドリッジがワトソン役であり、エラリー・クインの国名シリーズへのオマージュでもある。なお、エリザベスは、主人公に心臓移植手術を行った恩人外科医のロナルド・キッドリッジの娘であり、世界法医学交流シンポジウムのために来日したとの設定になっている。
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