亀井利明「危機管理とリスクマネジメント」

 本書は平成9年に初版が発行されており、26年前に出版されている。当時のリスクマネジメントはリスクを保険でいかに転嫁するか、いかに倒産を回避するかが主な論点だったようだ。ある会合でリスクマネジメントの取組み事例を発表することになり、リスクマネジメントを体系的に論じている本にも目を通そうと思って、本書を読んだ。現在のリスクマネジメントは内部統制活動の一部に組み込まれており、内部統制やコンプライアンスの重要性が叫ばれるようになった元凶のエンロン事件は1980年代の中頃。現代の危機管理のあり方に大きな影響を与えた東日本大震災が起こったのは2011年。これらによ