底惚れ


   ~~ 読書感想 ~~

底惚れ  青山文平 評価 ☆☆☆☆☆

本書全編が「俺」という一人称で語られていて、
「俺」の内心を詳細に描写してあります。
登場人物としては、主人公の「俺」と芳と同じ奉公先
にいた下女の信、それに深川入江町の岡場所の
路地番の銀次がいます。
他には名前だけだったり、一場面だけ登場する人物も
数人いますが、物語はこの三人だけで進みます。


女への思いにかられながら、はぐれ者だった男が、
一途に自分を刺した女の行方を求める。
女を捜す方便として、四六見世という最底辺の
女郎屋を営みながら、