戦後の明智ワールド③

 江戸川乱歩の「明智小五郎事件簿-戦後編 Ⅲ-」を読了した。本書は、著者が生み出した名探偵明智小五郎が戦後に関わった事件を、その発生順に並べたコレクションであり、いずれも少年探偵団物の長編の「サーカスの怪人」と「妖人ゴング」の二篇が収録されている。なお、明智小五郎が登場する戦後の作品は、主として少年探偵団物であり、必ずしも本シリーズに全作品を収録している訳ではない。そのため本シリーズでは、未収録作品を補遺する目的で、それらの作品名を列挙したコラムが設けられている。
 「前書き」:1951年に、明智小五郎が登場する事件が起こらなかったことについての考察が