老人の教育と教養

 裕美さんが多忙で、あまり家へ来られない。

 もう、生活費を稼ぐ必要なんてない。「専業主婦になったって、ボクの投資信託分配金と年金で充分暮らしていけるよ」と云ってはいるのだが、40代の彼女としては、自分の仕事に夢もプライドもある。

 ボクも40代~50代は「シックス・イレブン」(俗にセブン・イレブン(朝6時に家を出て、帰宅は11時になる日常)と云われてたが、現実はそれ以上だった)の毎日だった。そんな仕事に誇りと生きがいを感じてた。和子はほとんど就職したことのない(結婚式で披露してもらうために森英恵先生の事業所で短期間「お針子」をさせてもらった