フライパン牡蛎を炒めて白ワイン



 黒真珠しばし初冬の日の揺らぐ  細見綾子

 風邪ひいて葛ねつて喰ふ初冬かな  細見綾子

 湯にゆくと初冬の星座ふりかぶる  石橋秀野

 擂粉木の頭の白さ冬はじめ  鷹羽狩行

 初冬の単機こえゆく白根嶽  飯田龍太

 伎芸天ほの初冬の光格子より  山口青邨

 あたらしき声出すための酢牡蠣かな   能村登四郎

 動きさうな牡蠣にライムを絞りきる 塚原紀代子

 牡蠣割の音して曇る小屋の窓 岩木茂

 まつさらな沖あり牡蠣を啜るとき  山崎正子

 大根おろし掛け酢牡蠣を啜る  アロマ

 象