吹き荒ぶ凩夕焼生き生きと



 ポプラの木凩去りてマッチ棒  吉田茂子

 凩に鰓吹るるや鈎の魚  與謝蕪村

 冬の蝶かと思えばハグロトンボ  アロマ

 凩に鯨潮吠く平戸かな  夏目漱石 明治二十八年

 凩のはたとやみたる枝の先  藤岡筑邨

 木枯の中金色に秩父暮る  田中冬二 行人

 草千里より凩の湧くならむ  中田剛 珠樹以後

 木枯や錦をさらす京の店  大須賀乙字

 木枯や笑へば影の揺れはじむ  仙田洋子 橋のあなたに

 木枯や胡麻煎れば鍋はじく音  松根東洋城

 テレビから凩一番吹いたとか  アロマ

 星