【読書】東野圭吾初期の3冊:「仮面山荘殺人事件」「十字屋敷のピエロ」「ある閉ざされた雪の山荘で」

  東野圭吾の比較的初期の作品を3つ読んだ。いずれも当時人気が出てきた新本格派の作品と同系列の作品である。僕は「放課後」「卒業」を読んだのち、かなり長い間ミステリーを読まず、歴史小説ばかり読んでいた時期がある。だから東野圭吾を再び読み始めたのはせいぜいこの10年くらいで、初期作品の多くが抜けていたのだ。新本格派の人たちの作品も綾辻行人や我孫子武丸など初期のもの数冊ずつ読んだ程度である。

(1) 十字屋敷のピエロ(東野圭吾・講談社文庫)
  竹宮産業の竹宮社長一族が住む邸宅は、東西南北に棟が伸び、上空から見たならば十字形に見えることから十字屋敷と呼