私の「東京物語」

先日本屋で文庫本を物色していたら、奥田英朗氏の「東京物語」が眼に止まった。
奥田氏の著作を読んだのは割と最近で、最初に読んだ「オリンピックの身代金」というミステリー小説が面白くて印象に残り、次に手に取ったのが「向田理髪店」という北海道の寂れた炭鉱町を舞台にしたユーモアとペーソスに溢れた連作短編小説。
彼の経歴を確認すると、1959年岐阜県の出身。名古屋育ちで4歳違いの私には身近に感じられる存在である。加えて大のドラゴンズファンというのも良い。

「東京物語」は今から20年くらい前に発表された6つの短編からなる連作小説集である。
奥田氏の分身と思