変身(かわりみ) カフカ  多和田葉子訳

グレゴール・ザムザがある朝目覚めると、いけにえにもできないほど穢れた虫に変身していた。

こんな衝撃的な書き出しの小説が今から100年以上も前に発表されていた。あまりのおぞましさと絶望に読むのが辛い話だけど、当時雑誌に発表された後、単行本になって刊行されている。スイスの大学でドイツ文学の博士号を取っているような作家が訳した小説は、こなれていて読みやすかった。


若い時読んだのと 今読むのとでは、受け取るものが全然違う。自分が歳を取り、体が利かなくなってみると、とても他人事とは思えなかった。

夜間の救急診療で脳梗塞と診断され、そのまま入院