連載:私が登った奈良の山々

「吉野と万葉集」 美女の似合う桜の名所

これまで奈良で私が登った山の話を書きてきましたが、
この締めくくりはやはり吉野山が相応しいと思います。
しかし吉野山といっても地図を見ると
吉野山としての標高の表示は見つからず、
船岡山454m、
上千本ちかくの高城山698m、
奥千本あたりの青根ヶ峰857mとあって、
このあたりのこれらの山岳の総称とも思われるのです。

吉野山はこのような都から遠く離れたところに拘わらず
歴史の様々なドラマの舞台となってきました。
ちょっと考えただけでも
大海人皇子が壬申の乱の直前に一時身を隠した場所であり、
西行法師が庵を結んで隠棲し、