白雪姫の奸計

 青柳碧人の「赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。」を読了した。著者は小説家で、数学ミステリ「浜村渚の計算ノート」で2009年第3回「講談社Birth」小説部門を受賞して、作家デビューしている。本書は、赤ずきんを主人公とし、西洋の童話をモティーフとしたミステリー連作短編集の第二集である。
 「目撃者は木偶の坊」:森の奥に住む猟師のおじさんの家にクッキーとワインを届けに行く途中の十字路で、グリーデンの方向からやって来た赤ずきんはキツネ、黒猫と三毛猫の三匹に出会う。二匹の猫が担いでいる大きな袋から男の子の声が聞こえ、袋の中から茶色い木製の右腕が落ちるが、