連載:言葉2

[ことば日本史]一所懸命に一生懸命

ことば日本史、鎌倉時代から

■■一所懸命■■
中世の武士は、おのれの本領を守ろうと命がけで戦った。
本領とは、将軍家への奉公によって恩給された「恩地」とはちがい、御家人が先祖から
代々受け継いできた所領のことである。

それは平安時代以来の在地領主がみずから開発した所領田畑がもとであり、
分割相続の対象にはされず、嫡男、惣領に受け継がれていった。
武士は、その本領を鎌倉殿から安堵されて、御家人となる。

この本領が「一所懸命の地」だった。

これがやがて、一つのことに命がけでとりくむ態度をさすのに転用され、
その意味に引き