鯨肉のお弁当


微かに覚えている。
鯨肉の食感。

風景は教室の中、お弁当の時間。
職員室に一番近い教室。

窓の外にはアカシヤの木。
初夏には真っ白な花が咲いた。

お弁当箱はなんだったろう。
黄色いアルミで四角だったような、、。

白いご飯に、サイコロに切って煮た鯨肉。
ちょっと固くて、よく噛んでいた。

噛みながら、廊下を見て、窓の外を見て、
黒板を見たら、、先生と目が合った。

慌てて目を逸らして、、。
下を向いてお弁当のご飯をみた。

中学一年のお昼だった、、。
もちろん、先生もお弁当。

鯨肉は美味しかった