連載:日常1

「朝の満月」

「昨日も来てました?」
一番若くて一番何でもやってくれるA子さんが言った。途端に肩の緊張がほぐれた。

B子さんの姿が見えない。朝ご飯を食べた後部屋に行ったのだと言う。

行ってみるとパジャマ姿で寝ている。
「また会えて嬉しいです。私と一緒にちょっと向こうに行きませんか?」

着替えを出しても反応は悪い。パジャマ姿のB子さんと手を繋いで歩く。テーブルに座ってもらい、薬を持って行く。口を開けた。拒否しない。

朝ご飯はまだ食べてないと言っていたから(食べた事を忘れている)、朝ご飯が出て来ない事に腹を立てたのかもしれないが、忘れた事を指摘