五右衛門風呂

■ 若い人は五右衛門風呂なんて知らないでしょうが、昭和2~30年代の足立区にはまだあった。冬・夏休みには足立区の親戚の家によく泊りに行っていた。その親戚にはまだ風呂がなかった。隣の農家には五右衛門風呂があり、時折もらい湯をしていた。何人かが入った風呂なので、人垢が浮いている。でもいただいている風呂だけにそんなことは我慢して笑顔で入る。

 一人がやっと入れる五右衛門風呂は狭いことこのうえない。夏はいいけれど、冬は窓を閉め切って入るので、薪を燃やして湯を沸かすため煙が凄くて脱衣場を含め、畳三畳くらいの物置状の風呂場には煙が充満する。少しの時間は我慢する