青山文平 の 「本売る日々」

★3.3 「松月平助」はこの国に1軒しかない本屋である。本屋とは物之本を売る店、本といえば仏書、漢籍、歌学書、儒学書、国学書、医書などを指す。草草紙や読本は本ではない。平助は同じ本屋でも板行を行う書林を目指している。月1回、4日をかけて20余りの村々を回る。村の知識層である名主が得意先で、頼まれた本や薦めようとする本を背負って回る。

「本売る日々」大の得意先である小曽根村の名主・惣兵衛が71歳で17歳の後添えをもらった話。
「鬼に喰われた女」杉瀬村の名主・藤助の語る八百比丘尼伝説のような女がいたという話。
「初めての開板」医者になろうとした若者