連載:何が何でもナンセンス

御釈迦様とバラの花



ある日の事でございます。

ぽかぽかとした陽気に誘われるままに、御釈迦様は極楽の広いお花畑を独りでぶらぶらと御歩きになっていらっしゃいました。
極楽のお花畑では色とりどりのバラの花が今を盛りにと咲き乱れ、蝶や虫たちを誘惑するかのように独特の甘い香りを放っておりました。
極楽は丁度春の真っ盛りなのでございましょう。

やがて御釈迦様は咲き乱れるバラの花の傍におたたずみになって、その一本一本を丁寧に御覧になりました。
するとその中に、ひと際大きな深紅の花をつけたバラの枝があるのにお気付きになられました。
「おお!これはこれは、何とも見