タイトルのない物語
「BB君、遊ぼう~♪」 暇を持て余した高所恐怖症のドローンが視力の悪いブルーベリー君のところにやって来た。 「うん!遊ぼう遊ぼう~(^^♪」 そんなところに噂話好きの補聴器がやって来た。 「ぼくもまぜてよう。」 「うん、いいよ~。遊ぼ遊ぼ。」 「今日、大谷選手が第7号のどでかいホームランかっ飛ばしたの知ってる~?」 「知らない、知らな~い。」 「打球角度が39度で、滞…
「BB君、遊ぼう~♪」 暇を持て余した高所恐怖症のドローンが視力の悪いブルーベリー君のところにやって来た。 「うん!遊ぼう遊ぼう~(^^♪」 そんなところに噂話好きの補聴器がやって来た。 「ぼくもまぜてよう。」 「うん、いいよ~。遊ぼ遊ぼ。」 「今日、大谷選手が第7号のどでかいホームランかっ飛ばしたの知ってる~?」 「知らない、知らな~い。」 「打球角度が39度で、滞…
目の悪い男がいた。 悪いと言っても目玉が他人の家に放火するとか、誰かの後をつけて風呂場を覗くとかと言った悪さをするわけではない。 ただ視力が低下し、景色や文字の輪郭がぼやけ、物事がぼんやりとしか見えないといった程度の悪さだ。 「なんか最近見えづらくなったな~。いっぺん眼医者にでも見てもらおうか?」 男は医者が好きではなかったが、ものがはっきり見えないというのは何かと不便だ…
ある日の事でございます。 ぽかぽかとした陽気に誘われるままに、御釈迦様は極楽の広いお花畑を独りでぶらぶらと御歩きになっていらっしゃいました。 極楽のお花畑では色とりどりのバラの花が今を盛りにと咲き乱れ、蝶や虫たちを誘惑するかのように独特の甘い香りを放っておりました。 極楽は丁度春の真っ盛りなのでございましょう。 やがて御釈迦様は咲き乱れるバラの花の傍におたたずみになって、…
人はなぜ眠るのだろう? 否、睡眠は人に限った事ではない。 熊もライオンも、猫もネズミも、鳥も蝶も、蛇もカエルもミミズも、生きとし生けるもの全てが眠る。 蝙蝠は洞穴でぶら下がって眠り、鳥は木の枝につかまったまま眠る。 馬は立ったまま眠り、牛はよだれを垂れながら眠る。 海の中では魚も眠る。 マグロやイルカは眠りながら泳ぎ、タコはタコツボの中で眠る。 アワビやサザエは岩に…
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言う。 赤くなった柿は毎年見るが、青くなった医者は見たことがない。 近所の歯医者は赤いベンツで走り回ってるだけだ。 柿が赤くなると信号が青になる。 信号は青になったのだが 黄色いスポーツカーは駐車場に停められたままだ。 柿が赤くなると空が青くなる。 あどけない少女の手を離れた真っ白な風船は 少女の夢を乗せ 真っ青な空をどこまでもどこまでも飛んで行く。…
ある日、犬が歩いていると鬼が金棒で殴りました。 憎まれっ子は世にはばかり、花より団子を食べながら針の穴から天井をのぞくと、二階から目薬が落ちて来て、年寄りは冷や水をあびました。 論語読みの論語知らずが、下手の長談義を聞きながら豆腐にかすがいを打ち込むと、チリが積もって山となりました。 地獄の沙汰も金次第と言うので、遠い親戚より近い他人の家に忍び込むと、そこでは先に入った盗人が昼寝をしてい…
どんなに確率が低くても 起こりうる可能性があるものはいつか必ず起こる。 (マーフィーの法則) 貧血気味で立ち眩みのする彼女は病院に行った。 医者からは 鉄分不足である と言われた。 それからというもの、彼女は医者から勧められた鉄分の多い食事をした。 ほうれん草、ひじき、あさり、豚レバーにひれ肉。 毎日毎日、鉄分を多く含む食材を使って食事を摂った。 野菜と肉類や魚介類など、ヘム鉄と非ヘ…
人間にはいくつの骨があるか? 答えはだいたい206個前後だという。 206個だ!というのではなく、206個前後だというのである。 なんといういい加減な答えなんだ! 物の数を数えるのに、〇個前後などという単位はない。 従って、この前後という表現は 206個ぐらいだという表現と同じだ。 人の骨の数を ぐらいだ というようないい加減な表現でいいのか?! おまけに、この数は大人の人間の骨の数であ…
とてもきれい好きな掃除機がいました。 自分が働きだすと部屋の床がきれいになるのが楽しくて仕方ありません。 そんな訳で、動いていない時は自分が動いた時の様子を想像しながら、早く動かして欲しいとワクワクしながら、その時を待っていました。 ある日の事、いつもと同じように床の埃を腹いっぱいに吸い込んだ後、たまたま掃除機の主が掃除機を掃除しました。 お腹に溜まった埃を捨て、フィルターやら吸い込み口を…