村上春樹「街とその不確かな壁」を2度読みする

村上春樹の作品を初めて読んだのは「風の歌を聴け」だったが、社会人になってすぐの頃の当時は「ふ~ん」という程度の感想だった。
次に読んだ「1973年のピンボール」で「ややっ」と思い、最初の長編「羊をめぐる冒険」にドハマリしてしまった。
それ以来、会社のビルのテナントだった本屋のオヤジさんに彼の新刊が出るたびに自動的に届けてもらっていた。

彼がノーベル文学賞候補として噂されるようになる頃から、「ハルキスト」という言葉が生まれたが、そのはるか前から彼の読者だった私は自分をハルキストとは思っていない。
そもそも「ハルキスト」には、信者のように無条件に