彼との人生が始まった

土曜日の夜
役所の夜間窓口に離婚届けを提出した

人目をさけるつもりだったのに
選挙の期日前投票の人たちが行きかっていた

人生の後半戦で
離婚するとは思ってもみなかった

結婚式の日
大きな声で宣誓書を読み上げる夫に
嬉しさと頼もしさを感じた
はずなのに・・・

遠い日だったあの日が瞼に蘇る

楽しいこともあったよね
嬉しさに涙することも

婚姻届けも
離婚届けも
たった紙切れ一枚だけれど

心には ずっしりと重たい

どちらも簡単な気持ちでは

書けないもの

いよいよ、彼との人生が始まった