石の床余花鏤めて美しき


 
 バス停に橋の名つづく花の雨 佐藤喜孝

 シャボンの香ほの明るくて花の雨 中山純子

 テレビ塔俯瞰す北都花の雨  上家弘子

 余花の雨こころ静もる日となりぬ 七田文子

 み吉野の明日は咲き満つ花の雨  安原葉

 花の雨蛇の目開いて静々と  アロマ

 降り立ちし駅のホームの花の雨  山本潤子

 花の雨緩やかに坂下る人  アロマ

 花の雨城下の町の鍵曲り 名取袿子

 花の雨おもちやの電車動き出す  桑原逸子

 日々通るいまは葉ざくらとなりし道  及川貞 夕焼

 画然と今日葉桜になりし